AIとCAD、APSが実現する次世代の業務支援システムとは?株式会社キャパがAutodesk DevConで講演

AIとCAD、APSが実現する次世代の業務支援システムとは?株式会社キャパがAutodesk DevConで講演

CADデータの活用における課題

多くの企業でCAD(Computer Aided Design:コンピューター支援設計)データは日常的に利用されていますが、設計部門以外での活用は十分にされていないのが現状です。これは、以下のような複数の課題が背景にあります。

  • 専用ソフトウェアへの依存: CADデータを確認するには専用のCADソフトウェアが必要であり、ライセンスや環境の準備に手間がかかるため、現場など一部の環境では利用が難しい場合があります。

  • データ形式の分断と連携の困難さ: CADやBIM(Building Information Modeling:ビルディング・インフォメーション・モデリング)のデータ形式が統一されておらず、異なるシステム間での連携が困難です。このため、手作業での転記が発生し、図面やデータのバージョン管理も複雑になります。

  • AI活用への障壁: 属性や部材構成、位置関係といった情報が整理されておらず、AIが理解し、業務に利用できる形になっていないため、AIを導入しても十分な効果が得られにくい状況です。

CADデータが業務で活用されない理由

これらの課題を解決し、CADデータを企業全体の業務で活用できる状態にするための仕組みが求められています。

Autodesk Platform Services(APS)が実現する解決策

講演では、上記の課題を解決し、CADデータを業務で活用できる状態にする基盤の一つとして、Autodesk Platform Services(APS)が紹介されました。APSは、オートデスクが提供するクラウドプラットフォームであり、建設業・製造業向けの各種開発技術を提供しています。

APSは、CADデータを単にWeb上で表示するだけでなく、認証、データ管理、データ変換、Webブラウザ上での2D・3D表示や属性取得といった機能を提供します。これらの機能を組み合わせることで、CAD・BIMデータを業務システムへ接続し、部門を越えて活用することが可能になります。これにより、設計データは「構造化された業務資産」へと変換され、AIや他の業務システムが利用できる状態になります。

AI時代のCADデータ基盤を支えるAPS

AI連携による次世代の業務支援システム

講演の後半では、AIエージェント(人間の指示を理解し、自律的に複数のツールやシステムを連携させてタスクを実行するAI)とAPS、基幹システム(ERP:Enterprise Resource Planningなど)、社内ナレッジを連携させた、次世代の業務支援システムについて解説されました。

例えば、ユーザーがAIに対して「このモデルの概算見積を作成して」と依頼した場合、AIエージェントは以下のプロセスで業務を遂行します。

  1. 依頼内容を理解し、必要な処理を計画。
  2. APSからCAD・BIMモデルの数量や属性、部材構成を取得。
  3. ERPや見積システムから単価・在庫情報を取得。
  4. 社内の仕様書や過去案件、業務ルールを検索し、これらの情報を統合。
  5. 概算見積や注意事項を提示。

このようなシステムでは、AI単体の性能だけでなく、「構造化され、正確かつ最新のCADデータ基盤」、「見積、積算、ERPなどの業務システムとの連携」、そして「業務の目的、ルール、プロセスに対する深い理解」の3つが一体として設計されることが重要です。AIが業務で真の価値を発揮するためには、信頼できるデータと業務の文脈が不可欠であると考えられます。

CADシステムは業務プラットフォームへ進化する

これまでのCADシステムは、作図の自動化や設計効率の向上を主な目的として発展してきました。しかし、これからのCADシステムには、設計者だけでなく、施工担当者、製造担当者、営業・調達担当者、経営・管理部門など、さまざまな利用者が設計データを活用できる環境が求められます。

CADデータを社内外のシステムと接続し、AIが業務を支援・実行することで、設計から施工、製造、保守までを一気通貫で支える仕組みへと進化していきます。株式会社キャパは、AI、CAD、APS、業務アプリケーション、ERPやPDM/PLM(Product Data Management / Product Lifecycle Management:製品データ管理 / 製品ライフサイクル管理)、社内文書などを連携させ、データ・業務・AIをつなぐシステムアーキテクチャを提案しています。

株式会社キャパは、今後のCADシステムが単なる設計支援ツールではなく、図面や設計情報を各業務につなぎ、企業全体の業務を支えるプラットフォームになっていくと展望しています。

株式会社キャパの専門性と今後の支援

株式会社キャパは、1982年の設立以来、40年以上にわたりCAD・BIM・CIM(Construction Information Modeling:コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を中心としたソフトウェア開発に携わってきました。2010年にはAutodesk Developer Networkに加入し、AutoCADやRevitをはじめとするAutodesk製品のカスタマイズ開発や、自動作図システム、Web CADなどの開発に取り組んでいます。

2017年にはAPS認定パートナーの前身である「Forgeシステムインテグレータ」に国内3社目として認定され、2024年12月には業種別特化ロゴ「建築/エンジニアリング/建設」を取得するなど、その専門性は高く評価されています。

今回の講演で示されたように、株式会社キャパは今後もAPSを用いたAI時代の業務基盤を構築していく方針です。CADデータを起点として、業務アプリケーション、基幹システム、AIをつなぎ、設計データを企業全体の価値へ変える仕組みづくりを支援していくとしています。

登壇者

佐藤 暁氏のポートレート

佐藤 暁
株式会社キャパ 取締役
株式会社キャパに新卒入社後、2D/3D CAD開発、VR/AR事業、BIM/CIM開発、APSを活用した建設・製造業向けDX支援に従事。現在は、取締役としてCADデータ・業務システム・AIをつなぐ次世代の業務支援システムの企画・推進を通じて顧客価値の創造に取り組んでいます。

関連情報・お問い合わせ先

「Autodesk DevCon 東京 2026」の詳細については、以下のAutodesk公式ページをご確認ください。

Autodesk DevCon 東京 2026

株式会社キャパに関するより詳しい情報や、本件に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いします。