結論:日本のデータセンター自動化市場は大幅な成長へ
SDKI Analyticsが実施した最新の調査によると、日本のデータセンター自動化市場は、2025年の約27億米ドルから2035年には約77億米ドル規模(収益額)に達すると予測されています。予測期間における年平均成長率(CAGR)は約8.36%と見込まれており、これは情報システム担当者やDX推進担当者にとって、データセンター運用における自動化技術の重要性がますます高まることを示唆しています。

この市場成長の背景には、ハイパースケール データセンター(大規模なクラウドサービスやインターネットサービスを支える、非常に大規模なデータセンター)への投資拡大と、政府主導のデジタルトランスフォーメーション(DX:企業がデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革すること)の取り組みがあります。
成長を牽引する二つの主要因
日本のデータセンター自動化市場の成長は、主に以下の二つの要因によって推進されています。
AIおよびハイパースケール コンピューティング インフラの拡大が自動化の導入を加速
日本では、AI対応データセンター、クラウドプラットフォーム、高度なコンピューティングエコシステムへの投資が加速しています。これにより、データセンターのワークロード密度が高まり、運用事業者は効率と稼働時間を最大化するために、自動化されたオーケストレーション(複数のシステムやサービスを連携させ、一連の処理を自動的に実行・管理すること)、予知保全(センサーデータなどを用いて機器の故障を事前に予測し、計画的にメンテナンスを行うこと)、ロボットによる監視、インテリジェントな冷却システムなどの導入を進めています。
具体例として、2025年3月にはSoftBankとOpenAIが大阪に約150MWの容量を持つ国内最大級のAIデータセンターを構築する計画を発表しており、こうした大規模プロジェクトが自動化ソリューションへの長期的な需要を後押ししています。
政府のDX施策が運用自動化を促進
政府クラウドの導入拡大やAI活用を目指す公共部門の取り組みも、自動化技術にとって好ましい環境を生み出しています。日本のデジタル庁は、各省庁におけるクラウド移行やAI導入を支援する施策を加速。例えば、2025年に開始されたプロジェクトでは、180,000人以上の政府職員が生成AIを利用できるようにすることを目指しており、これにより、拡張性と自動化を備えたデータセンター運用に対する新たな需要が創出されています。
最新動向:主要企業の取り組み
日本のデータセンター自動化市場における主要企業は、以下のような事業展開を進めています。
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NTTのAIネイティブ・インフラ「AIOWN」拡張: 2026年4月、NTTはAIワークロードの増大に伴うリソースや運用の最適化技術を含む、AIネイティブ・インフラ(AIワークロードの実行に最適化されたインフラ)「AIOWN」の拡張を発表しました。同社は、GPUの電力密度上昇に伴う従来の空冷方式から液冷方式(発熱量の多いサーバーなどを冷却するために、液体を用いる方法)への移行の必要性を強調し、日本国内のデータセンター・インフラの高度化を継続的に進めています。これは、計算密度が高まる中で効率を維持するために、AIネイティブ・インフラにおけるリソースの自動割り当て、インテリジェントな運用制御、そして最適化された冷却管理が不可欠となるため、データセンター自動化市場にとって重要な動きです。
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KDDIのAIデータセンター向け技術検証環境構築: 2025年2月25日、KDDIは「Telehouse Tokyo Shibuya」施設内にAIデータセンター向け技術の検証環境を構築すると発表しました。この環境では、センサーを用いて液冷サーバーの電力や温度データを継続的に収集するほか、液漏れ検知センサーと連動した自動安全装置が緊急遮断弁を作動させる仕組みも導入されます。こうした取り組みは、センサーによる監視、自動化された安全対策、そしてデータに基づく冷却・電力インフラの最適化を推進することで、日本のデータセンター自動化市場を直接的に支援するものです。
市場セグメンテーションの洞察
データセンタータイプ別
日本のデータセンター自動化市場は、データセンタータイプ別では、クラウドベース、コロケーション、エンタープライズ/ハイパースケールに分割されます。
これらのセグメントの中で、クラウドベースデータセンターは、予測期間中に45%を超える市場シェアを占め、市場を主導すると予想されています。日本におけるクラウド導入の拡大、デジタルサービスの拡充、そして拡張性の高いインフラプラットフォームへの企業の移行がこの成長を後押ししています。国際電気通信連合(ITU)によると、2023年時点で日本の5Gカバレッジ(高速・大容量通信が可能な第5世代移動通信システム(5G)のサービス提供範囲)は約96.6%に達しており、これによりクラウドネイティブ アプリケーション(クラウド環境で開発・運用されることを前提に設計されたアプリケーション)、エッジサービス(データが発生する場所(エッジ)に近い場所で処理を行うサービス)、IoTエコシステム(モノのインターネット(IoT)に関連するデバイス、サービス、プラットフォームなどの総体)、および高度に自動化されたコンピューティング環境の普及が促進されています。これらの進展に伴い、自動化されたクラウド運用、リソースプロビジョニング、インフラオーケストレーションに対する需要が高まり続けています。
産業分野別
産業分野別では、IT・通信、BFSI(銀行・金融・保険:Banking, Financial Services and Insuranceの略)、政府・防衛、ヘルスケア、製造業・その他に分割されます。
その中でも、IT・通信分野は2035年までに35%以上の市場シェアを占めると予測されています。通信事業者やテクノロジープロバイダーは、膨大なネットワークトラフィック、クラウドベースのワークロード、AIを活用したサービス提供を管理するために、自動化への依存を強めています。マイクロソフトが日本国内のAIインフラ、サイバーセキュリティシステム、人材育成に対して約100億米ドルの投資を行うと発表したことは、日本のデジタルエコシステムに流入する投資の規模を浮き彫りにしています。通信事業者がデジタルサービスやクラウドアプリケーションを拡大する中、運用効率とレジリエンス(回復力:システムや組織が、障害や変化に対して迅速に適応し、回復する能力)を確保する上で、自動化ソリューションは依然として重要な役割を担っています。
構成要素別
構成要素別では、ソリューションとサービス(マネージドサービス、プロフェッショナルサービス)に分割されます。
ソリューションセグメントは、自動化ソフトウェアプラットフォーム、オーケストレーションツール、AI搭載の監視アプリケーション、インフラ管理システム、予測分析ソリューションの導入拡大により、予測期間を通じて主要な地位を占めると見込まれています。各組織は、人的介入の削減、電力利用の最適化、サービス信頼性の向上を実現できる、ソフトウェア主導の自動化プラットフォームへの投資を優先しています。自律的な運用やインテリジェントなワークロード管理に対する需要の高まりが、ソリューションセグメントの継続的な成長を後押しすると予想されます。
レポート詳細と問い合わせ先
本調査レポートは、SDKI Analyticsによって実施されました。SDKI Analyticsは、信頼性が高く、詳細かつ綿密な市場調査およびインサイトを提供することを目指しています。市場の成長指標、課題、市場傾向、競合環境に関する詳細な情報を通じて、クライアント企業のビジネス変革と成長を支援しています。
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