AIエージェントの企業システム接続拡大に伴うデータポリシー違反の現状と対策:Netskopeの最新レポートが示す課題

AIエージェントの企業システム接続拡大に伴うデータポリシー違反の現状と対策:Netskopeの最新レポートが示す課題

AI利用拡大の光と影:データポリシー違反の急増

AIエージェント(特定のタスクを自律的に実行するAIプログラム)の企業システムへの接続が急速に拡大する中、その利便性の裏で新たなセキュリティリスクが顕在化しています。Netskope Threat Labsが発表した最新の調査レポート「Netskope AI Report: 2026」は、AIからの情報出力(ダウンストリーム)時に発生するデータポリシー違反(企業が定めるデータの利用・保管に関するルールに違反すること)が、企業におけるAI関連のポリシー違反の中で2番目に多く、アラート1万件あたり924件と全体の約1割を占めていることを明らかにしました。

このデータポリシー違反の発生頻度は、過去1年間で2倍以上に増加しており、1組織あたりの平均件数は週12件から31件へと急増しています。特に、上位25%の組織ではその伸びが顕著で、週あたり72件から206件へと大幅に増加している状況です。これは、AIサービスがユーザーやエージェントが本来アクセス権限を持たない情報を返してしまうことで発生します。

AIの使用状況:個人用アカウントと組織用アカウントの割合

MCPの普及と新たなリスク

このようなデータポリシー違反の増加の背景には、モデルコンテキストプロトコル(MCP)の急速な普及があります。MCPは、AIモデルやエージェントが外部のデータソースやツールに接続できるようにするためのオープン標準です。過去10週間で、リモートMCPサーバーにアクセスするユーザー数は250%増加し、MCPトランザクション数は375%も急増しました。

これにより、AIシステムがより多くの企業データにアクセスできるようになる一方で、機密情報が本来アクセス権限のないユーザーやエージェントに返されるリスクも高まっています。企業にとって、AIの活用範囲が広がるほど、データの流れに対する厳格な監視と制御が不可欠となっています。

多様化するAI関連の脅威

AI関連の脅威は、データポリシー違反だけにとどまりません。AIへのプロンプト入力(アップストリーム)時に発生するデータポリシー違反は依然として最も多く、AI関連のアラート1万件あたり8,752件を占めています。これに加え、以下のような多様な脅威が確認されています。

  • コンテンツフィルタリング違反(154件)

  • プロンプトインジェクション(AIに不適切な指示を与え、意図しない出力を引き出す攻撃)およびジェイルブレイク(AIの安全対策を回避し、制限された機能を利用しようとすること)の試行(129件)

  • 機密情報の取得を目的とした要求(28件)

悪意あるコードに関するアラートは1万件あたり5件と最も少ないものの、自律型エージェントによってコードが直接実行されたり、大規模なコードベースに組み込まれたりする可能性があるため、重大な脅威をはらんでいます。

シャドーAIの現状と管理の方向性

企業が公式に導入・管理していない個人利用のAIアプリケーション、いわゆるシャドーAIも依然として課題です。現在、企業におけるAI利用者の30%が個人向けAIアプリケーションのみを利用しており、さらに14%は個人向けAIアプリケーションと企業管理下のAIツールを併用しています。

組織の管理下でのAIツール導入が進むにつれて、シャドーAIの利用は一時的に減少したものの、2026年3月頃にその傾向は頭打ちとなり、その後はわずかに増加へと転じています。このことから、組織はすべてのユーザーやユースケースを管理対象のAIプラットフォームへ移行させるだけでなく、個人向けAIアプリケーションの利用に対する「ガードレール」を整備する方向へとシフトしていることが読み取れます。

Netskopeが提唱するセキュリティ戦略

Netskope Threat LabsのディレクターであるRay Canzanese氏は、現在の脅威環境がシャドーAIを発見する段階から「AIエージェントに伴う双方向のリスク」へと移行していると指摘しています。同氏は、「AIサプライチェーン全体の信頼性を確保する段階に入っており、セキュリティチームは単純なデータ検査から双方向の検査へと方針を転換することが求められる」と述べ、あらゆるエージェントによるやりとりを、単なるデータ要求ではなく「コード実行につながり得る潜在的な実行ベクトル」として扱う必要性を強調しています。

Netskope Oneプラットフォームによる課題解決

Netskopeは、こうしたAI時代の新たなセキュリティ課題に対し、クラウドとAI時代に対応した最新のセキュリティとネットワーク技術で業界をリードしています。Netskope Oneプラットフォームは、ゼロトラストエンジン(全てのアクセス要求を信頼せず、常に検証するセキュリティモデル)と強力なNewEdgeネットワークを基盤とし、以下の機能を提供することで企業のセキュリティリスク低減とネットワーク性能向上を支援します。

  • 人、デバイス、データに加え、エージェント、アプリケーション、ツール、LLMを含むAIエコシステム全体に対する最適化されたアクセスを提供

  • リアルタイムのコンテキストベースのセキュリティを実現

  • あらゆるクラウド、AI、SaaS、ウェブ、プライベートアプリケーションの利用状況を可視化

Fortune 100企業の30社以上を含む数千社のお客様がNetskope Oneプラットフォームを信頼し活用しており、AIがもたらす新たな脅威から企業データを保護するための包括的なソリューションを提供しています。

その他の主な調査結果

レポートでは、AI利用の現状に関する以下の興味深いデータも示されています。

  • 平均的なAIプロンプト数は過去1年間で3倍に増加し、1組織あたりの週平均プロンプト数は1,498件から4,731件へと増加しました。上位25%の組織では毎週少なくとも19,292件のプロンプトが送信されています。

  • 過去1年間で、AIコーディングツールを導入している組織の割合は42%から84%へと上昇しています。現在、75%の組織でClaude Codeを、58%の組織でCodexを利用しています。

  • 現在41%の組織がOllamaを利用してAIモデルをローカルで実行しており、組織がデータの処理場所をより厳格に管理し、クラウドベースのプラットフォームへの依存を低減している状況がうかがえます。

  • AIアプリケーションを毎週利用している企業ユーザーの割合は34%から59%へと増加しました。上位25%の組織では、従業員の少なくとも77%がAIを毎週利用しています。

  • AIへのアップストリームのデータポリシー違反に関しては、規制対象データとソースコードがそれぞれ35%を占め、次いで知的財産が20%、パスワードおよびキーが10%となっています。

  • AI関連の不正なルアー(偽のAIアプリケーションインストーラーやフィッシングページ、トロイの木馬化された開発者向けツールなど)に遭遇したユーザー数は2026年3月以降急増しています。

詳細情報とNetskopeについて

本レポートの全文は、Netskopeのウェブサイトで公開されています。

Netskope AI Report: 2026

Netskopeは、クラウドおよびAI時代のセキュリティとネットワーク技術のリーダーとして、企業が安全にAIを活用できる環境を提供しています。サービスの詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。

Netskope公式サイト