CNCFとSlashDataの調査レポート:日本のクラウドネイティブ開発者数が約100万人に到達、AIが成長を牽引

CNCFとSlashDataの調査レポート:日本のクラウドネイティブ開発者数が約100万人に到達、AIが成長を牽引

日本のクラウドネイティブ開発者、約95万人に到達

このレポートによると、2026年第1四半期時点で、日本には約95万人のクラウドネイティブ開発者がいると推定されています。これは国内の開発者人口全体の41%に相当し、世界平均の39%をわずかに上回る水準です。過去2年間でクラウドネイティブ技術の導入が大幅に増加しており、日本のソフトウェア業界全体でこの技術に対する認知と利用が広がっていることが示されています。

AIがクラウドネイティブ導入を強力に推進

調査では、日本のAI開発者の約10万人がクラウドネイティブ技術を活用していることが明らかになりました。これは、AIがクラウドネイティブ導入の主要な推進要因となっていることを示しています。AIモデルを本番環境で安定して大規模に運用するためには、高い可観測性(システムの内部状態を把握する能力)とスケーラビリティ(需要に応じてシステムを拡張できる能力)が不可欠です。クラウドネイティブインフラストラクチャスタックは、これらの要件を満たす上で重要な役割を果たします。Kubernetes(コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を自動化するためのオープンソースシステム)は、AIの標準オペレーティングシステムとして認識されつつあり、組織はAIワークロードを支える運用上および物理的なインフラストラクチャの課題解決に注力しています。

Linux Foundation 日本代表の福安徳晃氏は、AIがモダンでオープンなインフラストラクチャへの需要を牽引する中で、日本のクラウドネイティブコミュニティが新たな成長フェーズに入っているとコメントしています。組織はAIアプリケーションだけでなく、それを支えるプラットフォームにも目を向け、Kubernetesのようなクラウドネイティブ技術や、AIを大規模に展開するために必要なスキルへの関心を高めている状況です。

日本独自の導入経路とプラットフォームエンジニアリングの進化

世界市場の多くとは異なり、日本はオンプレミスインフラストラクチャ(自社で所有・管理する設備内にシステムを構築する形態)への依存度が高い傾向にあります。開発者の約半数(47%)がオンプレミスサーバーにデプロイしていると回答しており、ハイブリッドクラウド(パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた環境)の導入率は16%にとどまっています。この結果は、日本の組織がパブリッククラウド環境のみに依存するのではなく、既存のエンタープライズインフラストラクチャ内にクラウドネイティブ技術を組み込む傾向があることを示唆しています。

また、レポートは日本のソフトウェア業界全体におけるプラットフォームエンジニアリング(開発者が効率的にアプリケーションを構築・デプロイできるよう、標準化されたツールや環境を提供する取り組み)の継続的な進歩を強調しています。バックエンド開発者の88%が標準化されたDevOps(開発と運用が連携し、ソフトウェアを迅速かつ高品質に提供する文化とプラクティス)またはプラットフォームエンジニアリング環境で作業しており、半年前の80%から増加しています。さらに、71%の開発者が少なくとも1つのクラウドネイティブ技術またはプラクティスを使用しています。

SlashDataの主席市場調査コンサルタントであるリアム・ボルマン=ドッド氏は、日本がクラウドネイティブの成熟に至る道筋が一つではないことを示していると述べています。組織は既存のインフラストラクチャへの投資とのバランスを取りながらモダナイゼーションを成功させており、プラットフォームエンジニアリングが基盤となるデプロイメントモデルに関係なく、より多くの開発者がクラウドネイティブ技術にアクセスできるようにしている、という見解を示しています。

DX推進担当者が注目すべきポイント

このレポートは、情報システム担当者や企業のDX推進担当者にとって、今後の技術戦略を検討する上で重要な示唆を与えます。

  • AI時代のインフラ戦略の再考: AIの活用が加速する中で、大規模なAIワークロードを効率的かつ安定的に運用できるクラウドネイティブインフラストラクチャの構築は喫緊の課題です。Kubernetesを基盤としたシステムへの投資や、AIに最適化された環境整備が求められます。

  • 既存資産を活かしたクラウドネイティブ化: 日本企業特有のオンプレミス環境への依存度が高い状況を踏まえ、既存のIT資産を有効活用しながらクラウドネイティブ技術を導入するハイブリッドなアプローチが有効であると考えられます。

  • プラットフォームエンジニアリングの推進: 開発効率の向上と技術者間の標準化を促進するためには、プラットフォームエンジニアリングの導入が不可欠です。これにより、開発者はより創造的な業務に集中でき、DX推進が加速します。

レポート詳細とダウンロード

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