ネットワークセキュリティ市場、2035年には1,177億米ドル規模へ成長予測 – DX推進に不可欠な次世代セキュリティとは?
SDKI Analyticsが実施した調査によると、世界のネットワークセキュリティ市場は、2025年の約329億米ドルから、2035年には約1,177億米ドル規模に達すると予測されています。この期間における年平均成長率(CAGR)は約13.6%と見込まれており、企業の情報システム担当者やDX推進担当者にとって、この動向はセキュリティ戦略を再考する上で非常に重要です。

市場を牽引する主要トレンドと企業の課題
ネットワークセキュリティ市場の成長は、主に二つの大きなトレンドによって推進されています。
1. AIインフラの拡大とセキュリティ要件の高まり
人工知能(AI)コンピューティングインフラの急速な構築は、分散型かつデータ集約型のネットワーク環境を生み出しています。これにより、高性能ネットワークにおけるトラフィックの可視化、アクセス制御、セグメンテーション(ネットワークの分離)、そして脅威検知の高度化が強く求められています。例えば、NVIDIAのデータセンター部門の収益は、大規模言語モデルや生成AIアプリケーションの需要に牽引され、2025年度には前年比142%増の1,152億米ドルに達しました。また、Microsoftは2025年度にAI対応データセンターの世界的な構築に約800億米ドルを投資する計画を進めています。
このようなAI関連のインフラ投資の拡大は、ネットワークトラフィックの量と複雑さを増大させ、組織が保護すべきインフラの範囲を広げています。結果として、高度なネットワークセキュリティソリューションへの需要が高まっており、情報システム担当者は、より洗練された脅威に対応できるセキュリティ基盤の構築が求められています。
2. モバイルおよび5Gエンドポイントの普及による攻撃対象領域の拡大
モバイル接続の継続的な拡大は、企業やコンシューマー向けネットワーク全体で保護すべきデバイス、ユーザー、アクセスポイントの数を増加させています。国際電気通信連合(ITU)の報告によると、2025年には世界のモバイル携帯電話契約数が92億件に達し、5G契約は世界のモバイルブロードバンド契約の約3分の1を占め、世界人口の55%をカバーするまでになりました。
スマートフォン、IoTデバイス、エッジシステム、企業向けアプリケーションへと接続性が広がるにつれ、組織はより広範な攻撃対象領域(アタックサーフェス:サイバー攻撃を受ける可能性のあるシステムやネットワークの範囲)に直面しています。これに対応するため、ネットワークセグメンテーション、セキュアアクセス、ID管理(Identity and Access Management)、ファイアウォール技術、継続的な脅威監視に対する需要が高まっています。
最新の動向と具体的なセキュリティ対策
AIを活用したセキュリティシステムの進化
2026年5月には、MicrosoftがAIを活用した新たな自律型セキュリティシステム「MDASH」を発表しました。このシステムは、Windowsのネットワークおよび認証スタック全体で16件の脆弱性を特定し、その中にはWindows TCP/IPスタックなどに影響を及ぼす4件の重大なリモートコード実行(RCE:遠隔から任意のコードを実行される脆弱性)の脆弱性が含まれていました。MDASHは100以上の専門的なAIエージェントを使用して脆弱性の発見と検証を行うものであり、ネットワークセキュリティや脆弱性管理の分野におけるAIの組み込みが急速に進んでいることを示しています。
日本政府によるサイバーセキュリティ産業の強化
日本の経済産業省は、2025年3月に国内のサイバーセキュリティ製品・サービスのエコシステム強化を目指す「サイバーセキュリティ産業の活性化に向けた戦略」を公表しました。この戦略では、政府機関による国内スタートアップ開発の有望なサイバーセキュリティ製品の試行導入、研究開発(R&D)支援の拡充、そしてセキュリティベンダーとシステムインテグレーター(SIer)との連携強化などが掲げられています。経済産業省は、国内サイバーセキュリティ産業の売上高を10年間で約0.9兆円から3兆円超へと拡大するという長期目標を策定しており、企業はこれらの国の動きも注視し、セキュリティ投資を加速させる必要があるでしょう。
次世代ファイアウォール(NGFW)の重要性
ネットワークセキュリティ市場のセグメンテーションでは、次世代ファイアウォール(NGFW)が2035年までに市場シェアの約65%を占め、主要なセグメントとなると予測されています。NGFWソリューションは、従来のファイアウォール機能に加え、ディープパケットインスペクション(DPI:通信内容の詳細な検査)、侵入防止、アプリケーション認識、高度なトラフィック可視化といった機能を提供します。
ランサムウェアの脅威や分散型攻撃の増加、そして脅威アクター(サイバー攻撃を行う者)の高度化に伴い、企業によるNGFW技術の導入が進んでいます。世界経済フォーラムのサイバーセキュリティ評価によると、ランサムウェアによるインシデントは世界的に増加傾向にあり、次世代の境界型セキュリティに対する需要をさらに高めています。
地域別の動向
北米は世界の収益の34%以上を占め、引き続き最大の市場シェアを維持すると予測されています。これは、高度なサイバーセキュリティ技術の早期導入、大規模なクラウドインフラ、成熟したサイバーセキュリティエコシステム、そして企業の支出拡大といった要因によるものです。同地域の組織は、NGFW、ゼロトラストセキュリティフレームワーク(「何も信頼しない」を前提としたセキュリティモデル)、マネージド検知サービス、AIを活用したサイバーセキュリティツールへの投資を積極的に続けています。
日本のネットワークセキュリティ市場は、サイバー攻撃の増加、急速なクラウド移行、5Gの導入、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を背景に、予測期間中に年平均成長率(CAGR)約13.3%で成長すると予測されています。情報通信研究機構(NICT)によると、2025年のサイバー攻撃関連の通信量は約7,010億パケットに達し、観測開始以来最多を記録しました。このような状況を受け、日本の企業や政府機関の間では、高度なネットワーク監視、AIを活用した脅威検知、クラウドセキュリティソリューションに対する需要が高まっています。
ネットワークセキュリティ市場の主要企業
SDKI Analyticsの調査レポートに記載されている世界のネットワークセキュリティ市場における主要企業は以下の通りです。
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Palo Alto Networks
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Cisco Systems
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Fortinet
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CrowdStrike
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Check Point Software
また、日本市場における上位5社は以下の通りです。
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Trend Micro
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NEC Corporation
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NTT Security Holdings
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Fujitsu Limited
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Hitachi Ltd.
レポートの詳細と入手方法
本記事で紹介したネットワークセキュリティ市場に関する調査レポートの詳細な洞察は、以下のURLにてご覧いただけます。
https://www.sdki.jp/reports/network-security-market/590642425
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日本のサイバーセキュリティ市場: https://www.sdki.jp/reports/japan-cybersecurity-market/61495
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データセンターセキュリティ市場: https://www.sdki.jp/reports/data-center-security-market/59269
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ネットワークアクセス制御市場: https://www.sdki.jp/reports/network-access-control-market/104348
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https://www.sdki.jp/
