AI CROSS株式会社(東京都港区、代表取締役CEO:原田典子)は、店頭販促を支援する株式会社アルファ(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:岡本悟征)に、AI需要予測・運用サービス「Deep Predictor」の提供を開始した。アルファは、販売促進用品の通販サービス「POP GALLERY(ポップギャラリー)」で取り扱う商材の需要予測に同サービスを活用する。2026年11月から本格運用を開始する予定だ。
アルファは、過去の販売実績などに基づくAIの需要予測に、担当者が培ってきた経験・知見を組み合わせる。これにより、過剰在庫と欠品の抑制、発注判断の属人化解消、業務効率化を進める。一連の取り組みを通じて長期滞留在庫の発生を抑え、収益性の向上につなげることを目指している。

季節催事などで需要が変動する販促品、発注は担当者の経験に依存
アルファは1984年の設立以来、POPをはじめとする販売促進用品の企画・制作・販売や、キャンペーンの企画・運営などに取り組んできた。こうした事業を通じて、メーカーや小売企業の販売促進活動を支援している。「POP GALLERY」では、店頭で商品や催事を訴求するPOP、店内を演出する季節装飾品、イベント用品、景品などを、カタログとオンラインショップを通じて提供している。
これらの商材の需要は、季節催事やメーカー施策、小売企業の販促計画などによって変動する。また、海外から調達する商品は発注から入荷までに期間がかかるため、先の需要を見越して仕入れを判断する必要がある。欠品を避けようと多めに仕入れれば過剰在庫につながり、仕入れを抑えすぎれば販売機会を逃すおそれがある。そのため、必要な商品を必要な時期に提供できる体制と、適正な在庫水準を両立させることが重要になる。
同社ではこれまで、担当者が販売実績などを集計し、経験・知見をもとに発注量を判断してきた。その一方で、次のような課題があったという。今回の導入では、需要予測を日々の発注・在庫管理に活用し、業務の標準化と在庫の適正化を進める。
- 発注判断やデータの集計方法が担当者に依存しており、業務の標準化や引き継ぎに負担がかかる
- 発注検討に必要なデータの抽出・集計に時間がかかる
- 過剰在庫と欠品を抑えるために、データに基づく共通の判断基準が求められる

PoCを経て評価された3つのポイント
アルファは実証実験(PoC)による検証を経て、以下の点を評価し、「Deep Predictor」の導入を決めた。
- 定番品・季節品の需要予測への対応:通年で需要がある定番品と、季節催事に合わせて需要が変動する季節品を、共通の仕組みで予測できることを実証実験で確認した。特性の異なる商材を扱うPOP GALLERYの発注・在庫管理に活用できる点が評価された。
- 自社データを用いた在庫適正化の検証:自社の過去の販売データを用いて、需要予測に基づく運用を試算した。その結果、発注量や在庫水準を見直すことで過剰在庫を抑制できる可能性を確認した。導入後の改善に向けた見通しが得られた点が評価された。
- AIの予測と担当者の知見を組み合わせたハイブリッド運用:AIが算出する需要予測や発注量の目安をもとに、担当者が必要な確認・調整を行う運用を想定している。突発的な大口受注などには担当者の知見を活かして対応しながら、発注判断の標準化を進められる点が評価された。
目指す効果と段階的な展開計画
アルファが今回の導入で目指している効果は、次のとおりだ。
- 過剰在庫・欠品の抑制:需要予測に基づいて発注を判断し、過剰在庫を抑えるとともに、欠品による販売機会の損失を減らす
- 属人化の解消と業務の標準化:担当者の経験・知見を活かしつつ、共通のデータと判断基準で発注を検討できる体制を整え、業務の継続性を高める
- 発注業務の効率化:データの抽出・集計や発注検討にかかる作業負担を軽減し、商品企画や品揃えの改善など、付加価値を生む業務に取り組める環境をつくる
- 継続的な改善:予測と実績を定期的に検証し、予測精度と運用方法の改善を重ねる
なお、これらはアルファが導入にあたって掲げている目標であり、実際の効果を保証するものではない。本格運用後の効果は、市場環境や運用条件などによって変動する可能性があるとしている。
2026年11月からの本格運用では、まず出荷頻度の高い定番品を中心に、予測精度や発注業務の効率化、在庫適正化の効果を検証する予定だ。その後、運用の定着状況と検証結果を踏まえ、その他の定番品や季節品などへ対象を段階的に広げていく。アルファはこの取り組みを通じて、顧客が必要とする販促品を必要な時期に提供できる体制と、過剰在庫を抑えた効率的な事業運営の両立を目指す。
専門知識がなくても保有データを活用できる「Deep Predictor」
「Deep Predictor」は、AI CROSSが提供するAI需要予測・運用サービスだ。専門知識を持たない現場担当者でも保有データを活用でき、需要予測と日々の業務判断を支援する。予測結果をもとに発注量の目安を算出するなど、実際の業務で活用できる形式での出力に対応している。また、導入から運用定着、継続的な改善までの伴走支援も行う。AI CROSSは同サービスの提供と運用支援を通じて、アルファの需要予測・発注業務の標準化と在庫適正化を支援し、継続的な業務改善と収益性の向上に貢献していくとしている。
出典:AI CROSS株式会社
